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2013年7月26日

ぴあの人事担当が一〇八人の豪傑を斬る!

ぴあ株式会社HR(ヒューマン・リソース)創造局で人事・法務全般を担当する渡部選人局長

一〇八の豪傑にして好漢たちが集う梁山泊が舞台の「水滸伝」は、それだけの人数がいても絶対に被らない個性豊かなキャラクターたちが魅力だ。以前、当コーナーに登場いただいた「絵巻水滸伝」を支援するキノトロープ社長・生田昌弘氏は、梁山泊みたいな会社は楽しいという持論を展開していたが、一〇八の好漢たちのようなメンバーが社員の場合、「水滸伝」作中で勃発するようなトラブルもあるのでは!? そこで、組織人事のエキスパートであるぴあ株式会社のHR(ヒューマン・リソース)創造局で、人事・法務全般を担当する渡部選人 局長に直撃インタビューした! 「人事担当が斬る! 108人の内申書!」をテーマに、「水滸伝」に登場する人気キャラクターたちの大胆査定を依頼。そして梁山泊と比べて、理想的な組織の一形態についてまで、専門家視点の意見を伺った。

「水滸伝」のファンであれば、確かに一〇八の好漢たちのようなメンバーが会社員として働いている組織に入りたいと思うかもしれないが、たとえば目線が近い同僚や外注先ではなく、上司や部下という縦の人間関係で考えた場合、自分にとっての適任者を真剣に考えてしまうもの。「たとえば一〇八人の中で誰が部下にほしいかと問われれば、軍師の呉用くらいじゃないでしょうか。他は皆使いにくそうじゃないですか(笑)」と好漢たちの適正配置は難しいことを渡部局長も認める。確かに、部下にしたいキャラクターは少ないかもしれない。

そこで、頭を悩ます人事の考え方のひとつとして、「DiSC分析という基準を、参考までにご紹介したいです」と切り出す渡部局長。DiSCモデル分析とは、“ある人の行動を測定して、その人を否定的に判断しない4つの行動特性(D,i,S,C)をもって行動の特性を探る”という理論だそうだ。「まずアンケートを受けた人たちを4種類の性格に大まかに分けて、それを細分化していき、たとえば創造者パターン、調整者パターンなどに分けます」。何を隠そうIBMも採用している基準だそうで、ぴあ株式会社でも研修の一環で受けた人がいるとか。「大まかに4種類ですが、血液型で診断する発想よりも科学的です(笑)」という。

そして、この基準を一〇八の好漢たちに当てはめてみた。「突っ走るタイプの“D”がまさしく李逵ですよね(笑)。“i”は人々を励ます性格なので、これは宋江や林冲タイプでしょうか。“S”の人助けが好きという控え目なキャラクターは…梁山泊にはいないですね(笑)。どちらかといえば、花栄でしょうか。計画性がある慎重派タイプの“C”は、まさしく呉用でしょうね」。このように4種類しかないものの、キャラが立っている好漢たちは、無理がない解釈でDiSCモデルに当てはまっていく。「そうですね(笑)。たとえば史進などは“D”と“i”の間でしょうけれど、比較的“D”よりですよね。そういう発想で、細分化していくわけですね」。ちなみに渡部局長は、“i”のタイプ。宋江や林冲と同じタイプの好漢なのだ。

ここで大事なポイントは、4種類の人間がバランスよく集まっていること=いい組織、でないということだ。「これはお互いの性格が分かることに意味があります」と渡部局長は言う。「そうすれば、ディスコミュニケーションが減るというメリットがあります。そもそも人間同士の違いは違いであって、間違いではない。働いている人間たちのキャラクターは、バラバラで違っていてもいいわけです」。それが現実世界で当たり前で、その差を互いに認め合い、活かし合うことがDiSCモデル分析の目的。肯定は、なかなか難しい作業ではある。

しかし、梁山泊に集った一〇八人は無法者たちで統制が効かなそうな無頼が多いが、相手を認め合い、リスペクトしているからこそ組織として機能している側面は確かにある。この好漢たちがDiSCモデル分析を受けていたかどうかは定かではないが、いずれにせよ、梁山泊や梁山泊に集った一〇八人が会社組織、会社員だとすれば、理想的な成果を上げるだろうと渡部局長は分析する。「そうですね(笑)。会社という組織には、いろいろな人間がいるということが大前提なので、その個々の強みを活かしていくことが大事です。また、人事的には、その人の得意な分野を伸ばしていくことが理想的でしょうか。お互いを知って、認め合うこと。そういうスピリットは、『水滸伝』で参考にしたいポイントでしょうね!」。

取材・文・写真:鴇田 崇

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