ニュース

一覧ページに戻る

2013年12月27日

横浜中華街で買った「水滸伝トランプ」徹底比較!

水滸伝グッズは欲しいけれど、なかなか見つからないし手に入れにくいのが現状。唯一の例外として、トランプだけは結構あるのだ。なぜかといえば中国はトランプが盛んな国。現地ではトランプは撲克(プーコー)と呼ばれ、「三国志」、「西遊記」、京劇人物などの絵が印刷された商品も数多く出回っている。

そんな事情もあり、横浜中華街の雑貨屋でも中国製トランプが売られているはずだと記憶していた。今回探しに行ってみると…あった、あった。3種類の水滸伝トランプを見つけることができた。

上に載せた写真が、その現物3点。値段は商品によって差があり、500~900円。左の赤いものが一番高価で、紙の外箱の中はプラスチックケース、その中にカードが収納された豪華仕様。右側(青)もプラケース入りだが、外箱は上下穴あきでスライドさせて取り出す形式になっている。中央(茶色)は折りたたみ式の紙ケースに直接カードが入った一番単純な作りをしている。それぞれ絵柄が異なって面白いし、せっかくの機会だ。中のカードの絵柄も比較してみよう。

まずは、水滸伝でも人気の高い魯智深と武松の絵柄。3種類とも基本的に1枚のカードに2名ずつ梁山泊メンバーが描かれ、その組み合わせは微妙に異なるが、このふたり、魯智深と武松は梁山泊での席次が並んでいる(13位と14位)こともあってか、3種類とも同じカードに描かれている。比較してみると魯智深は大木を引き抜くところや酒甕をもって暴れている姿が印象的。左は珍しく祈祷する格好になっているのが面白い。武松は右と真ん中がおとなしい立ち姿で、少々物足りない気がする。

次に、林冲の絵柄を比較してみよう。左はなぜか絡みのない雷横とコンビを組んでいる。中央と右は、ともに関勝とコンビを組んでいる。梁山泊での席次は関勝が5位、林冲が6位のためだ。関勝は「三国志」の関羽と容姿が瓜二つなので、同じく「三国志」の張飛を一応のモデルにしている林冲との並びは面白い。どれも独特の帽子で林冲と分かるが、右はあまり強そうに見えないのが残念。

次に、史進を比較してみたい。「九紋竜」だけに、入れ墨を目立たせるため、いずれも背中を向けたポーズ。左は刀を砥いでいるようだが、後ろにいる関勝が立派すぎて(まんま関羽のようだ)まるで史進がひざまずいた従者のように見えてしまう。真ん中と右で一緒にいる穆弘は、史進に次ぐ24位の席次だからだろう。

続いては夫婦の王英と扈三娘。これも魯智深&武松同様、3種類ともちゃんと同じカードに描かれている。夫婦だし、席次も並んでいるから当たり前かも。役得の王英である。個人的に扈三娘は双刀を持って鎧を着込んだ姿が見たいが、いずれも平服なのがちょっと残念。王英ももう少し醜男なのかと思いきや、意外に普通なので面白みに欠けるように感じる。

阮小二、阮小五、阮小七は、左右では3人揃って描かれ、特別なカードになっている。しかし、中央は兄弟バラバラに描かれ、阮小七は席次が2つ下の石秀とコンビを組んでいる。確かに方臘戦ではともに偵察隊の任務に就いたから、そういう所もしっかり考慮されているのかもしれない。なかなか奥が深い。

最後に紹介するのが、ジョーカー。トランプでは最強・別格のカードだから、それぞれに重要な人物が描かれているものが多い。右は首領の宋江と、副首領の盧俊義がそれぞれ単独で描かれている。真ん中はジョーカーといえども頑なにふたりずつ入っているが、呉用と公孫勝であればまあ納得がいく。しかし、左上はなぜか欧鵬、鄧飛という微妙な人選。ふたりは席次も48位と49位。ジョーカーとしては格落ちといわざるを得ない。

さて、まだまだ紹介したいところだが、キリがないのでこれぐらいにしておこう。どのトランプも絵柄、書体、下地のデザインなどそれぞれに味があって面白く、どれを選ぶかは各人の好みということになるだろう。この中に、お気に入りのトランプがあったら、あるいはまだ見ぬ新しいトランプや水滸伝グッズを探しに…中華街を散策してみてはいかがだろうか。

文・上永哲矢〈哲舟〉=歴史コラムニスト

一覧ページに戻る